fxの税金は、国内FXであれば一律20%、海外FXは累進課税で所得によって税率が変わります。
そこで多くのトレーダーが「FXの税金を抑えたい」または「どうにかして税率を軽減したい」と考えています。
実は、fxでも「経費」を利用して税金を少なくできることをご存知ですか?
今回は以下のような『FXの経費に関する内容』をまとめて、全て分かるように解説しています。
- fxで経費が税金対策になるのは本当?
- どんなものがfxの経費にできるの?
- 経費の「減価償却」は何をするの?
- FXの経費で注意することは?
少し難しい内容もありますが、初心者でも分かるように噛み砕いて解説しています。
この記事を読むことで、あなたのFX課税額が減り、結果的に税金を安くできるので参考にしてください。
FXの税金が経費で削減(節税)できるのは本当?
FXは経費を利用することで、税金の削減につながり節税効果があります。
詳しく言うと、FXで利益を出すために必要だったコストを経費として計上することが可能です。
その経費は、FXで得た利益(所得)から差し引くことができ、所得額を下げることができます。
たとえ税率が同じだとしても、所得額が下がることで税額を抑えることができます。
また、特に経費を利用することで大きな恩恵を受けるのが海外FX利用者です。
海外FXの場合、利益(所得)が大きいほど税率が高くなっていきます。
所得額(総合課税) | 控除額 | 税率 (所得税+住民税) |
---|---|---|
195万円以下 | 0円(控除なし) | 15% |
195万円を超え330万円以下 | 9万7,500円 | 20% |
330万円を超え695万円以下 | 42万7,500円 | 30% |
695万円を超え900万円以下 | 63万6,000円 | 33% |
900万円を超え1,800万円以下 | 153万6,000円 | 43% |
1,800万円を超え4,000万円以下 | 279万6,000円 | 50% |
4,000万円超え | 479万6,000円 | 55% |
海外FXの税率は段階的に設定されているので、経費で所得額を抑えて税率が一段階でも低くなれば、より大きな節税効果が期待できます。
たとえば所得910万円だった場合、経費を利用して所得900万円以下にできると、税率はなんと10%も変わります!
このようにFXでは経費を利用することで税率の軽減、そして税額を少なくすることが可能です。
もしFXの確定申告をする機会があれば、ぜひ利用するようにしましょう。
FXの経費を利用するためのルール・注意点
経費を利用することで節税効果があることが理解できたでしょうか。
次は、経費に関するルールや注意点を解説します。FXに限らず、確定申告の帳簿付けには必要な知識です。
特に初心者からすると税金は難しく感じやすいですが、要点を抑えて一つずつ理解できれば、それほど難しい内容ではありません。
焦らず確実に理解していき、ぜひFXで経費計上するのに役立ててください。
FXで計上できる必要経費(勘定科目)の種類
続いては、FXの経費として計上できる種類について解説します。
FXで経費として申告できるのは、当然ですが『FXの利益を出すために必要だったもの』であることが条件です。
具体的には、以下のようなものが経費にできます。
必要経費の勘定科目 | 具体的な経費内容 |
---|---|
新聞図書費 | 投資に関する書籍・教材の購入費 |
通信費 | インターネットの利用料金など |
支払手数料 | 売買手数料など |
研修費 | セミナー受講費など |
交通費 | セミナー受講のための交通費など |
地代家賃 | トレーディングルームなどの家賃 |
消耗品費 | 文房具・システム・PCなどの購入費 |
減価償却費 | 10万円以上は減価償却をして計上 |
表にあるようなものがFXの経費になる勘定科目です。
経費にするには、とにかくFXに関する内容であることが重要です。
たとえば新聞図書費として経費計上しようとしても、FXに全く関係ない漫画は経費扱いにできません。
按分(使用割合)は20〜50%程度の金額で計上する
また、経費にはいくつかのルールがあり、その一つに按分があります。
按分(あんぶん)は、プライベートでも併用する際に使用割合を計算して、その割合分で経費計上することです。
例えばPCモニターを購入して、FXだけでなくプライベートでも利用する場合は按分します。
この按分は、FX取引に使うモニターの使用割合で考えます。FXで使うのが1日5時間程度だと仮定した場合は以下のようになります。
【5万円のPCモニターを1日5時間使用する場合】 1日(24時間)のうち5時間は約20%程度になので、5万円の20%=1万円が経費計上できます。
上記のように、プライベートとの併用をするものに関しては、按分しなければいけないので注意してください。
10万以上のものは「減価償却費」として経費計上する
実は、10万円未満であれば普通に経費計上できますが、10万円を超える場合は「資産」として扱う必要があります。
経費にしたいものが10万円以上の場合、減価償却または一括償却をしなければいけません。
(20万円以上の場合は、減価償却しか選べません)
減価償却や一括償却は、簡単に言うと数年単位で使えるものは耐用年数(使用年数)で分割して経費計上することです。
※耐用年数は物によって、それぞれ原則的に決めらています。
たとえば15万円のFX専用パソコンを購入して、減価償却による経費計上は以下のようになります。
※パソコンの耐用年数は、原則4年と定められています。
【15万円のFX専用パソコンを減価償却する】 15万円÷耐用年数4年=37,500円(1回の申告で経費計上できる金額)
このように37,500円の経費計上をして、計4回(4年)の申告をするようになります。
また、10〜20万円未満に限り「一括償却」をすることもできます。
一括償却は、代金を3年間に分割して計上できます。
計上できる1年あたりの経費額が増えるので、より節税効果があります。
15万円のパソコンを一括償却すると、以下のように3年で分割して5万円を計3回(3年)経費計上します。
【FX専用パソコンを一括償却する場合】 15万円(パソコン代)÷3年(一括償却の年数)=50,000円
経費は赤字(損失)でも翌年に繰り越し不可(減価償却を除く)
FXは仮に年間を通して損失(赤字)の場合は、損失を翌年に繰り越せます。
しかし、経費は基本的に1年ごとなので、赤字でも経費の繰り越しは無理です。
ただし、10万円以上のものを「減価償却費」として計上した場合は、残りの金額を翌年以降も申告できます。
また、FXの経費は年間損益から差し引くようになっています。
個人の場合、含み益・含み損などの取引中のポジションは確定申告に関係無いので覚えておきましょう。
領収書を必ず保管しておくことで税務調査されても安心できる
FXで経費を利用する際は、必ず購入や利用したことを証明できる領収書を保管してください。
領収書は、確定申告書と一緒に提出する必要はありません。
ただし、税務署からの質問や税務調査を受けた際に領収書が証明書類になります。
また、確定申告書と一緒に提出する必要は無いと言っても、日付や金額などの帳簿付けに役立ちます。
そのため、領収書は必ず大切に保管しましょう。
判断に迷ったら税理士または税務署に相談
FXの経費にするかしないかは自己判断です。
経費にできるか考えて迷った場合は、経費として計上しないことをおすすめします。
なぜなら、もし経費にできないものを計上してしまったら最悪の場合、所得隠しや税金逃れなどの対象として罰を受ける可能性があります。
そのため経費計上する際は十分に注意してください。
不安な方は税理士ドットコム を利用して税理士に相談するか、税務署で直接相談してみましょう。
また、どんなに経費として計上していても確定申告の提出を忘れてしまうと意味がありません。
無申告やFXの税金を払っていない場合の罰則内容は以下の記事で解説しています。
FXの必要経費にできる可能性が高いもの
続いては、実際にどのようなものが経費に当てはまるのか、また計上する際の金額などを解説します。
基本的に、FXの経費として計上する勘定科目は、以下のどれか当てはまるものです。
上のどれかの勘定科目で経費計上することになるので、勘定科目名を覚えておくと便利です。
それでは、実際に経費に利用しそうなものを解説していきます。
FX取引用のスマホ・タブレット
FX取引用に購入したスマホやタブレット(iPad)は、購入費を経費にできます。
この場合の経費の勘定科目は「消耗品費」となります。
プライベートでも利用するスマホ・タブレットの場合は、全額を経費に計上することはできません。
プライベートとFX取引で併用する場合は、1日の使用時間などを目安に按分して経費にしましょう。
たとえば、1日のうち6時間はFX取引で利用する場合、24時間÷6時間=4となります。 この場合だと、スマホ・タブレット購入費の1/4が消耗品費として経費計上できます。
また、インターネットの利用料金などは「通信費」として経費計上できるのでセットで覚えておきましょう。
パソコン・PC周辺機器(モニター、マウスなど)
FX取引に利用するパソコン・PC周辺機器(モニター・マウス・デスクなど)も「消耗品費」として経費計上できます。
FX専用の場合は全額経費として認められ、プライベートと併用する場合は、按分して(使用割合を求めて)経費計上します。
また、パソコンの場合は購入費が10万円を超えてくることも考えられます。
もし10万円を超えるパソコンの場合は「減価償却費」として代金を耐用年数で分割して経費計上します。(パソコンは耐用年数4年なので、4回に分割して経費計上します。)
【FX専用のパソコンを減価償却する場合】 30万円(パソコン代)÷4年(耐用年数)=75,000円(1年ずつ経費計上する金額)
プライベートと併用する際は減価償却をして、さらに按分した金額が計上できます。
【30万円のパソコンを按分40%で減価償却する場合】 30万円÷4年(耐用年数)×40%(按分比率)=30,000円
按分した場合は、上記のようになり3万円で計上して4回(4年)で申告します。
自動売買ソフトや分析ツールの購入費(サブスク含む)
FXの自動売買ソフトやトレードシステム、チャートツール・分析ツールの購入費も「消耗品費」として必要経費にできます。
たとえばチャート分析ができるTradingView(トレーディングビュー)を月額契約していたら、全額経費の扱いでOKです。
TradingViewについては、以下の記事で詳しく解説しています。
また、もし高額な自動売買ソフトで10万円以上だった場合は「減価償却費」として計上することになります。
ソフトウェアの減価償却期間(耐用年数)は、原則3年と決められています。
そのため減価償却で、購入代金から耐用年数3年で分割してから計上してください。
取引手数料や利益出金にかかる振込手数料
FXの取引コストとなる売買手数料、利益を出金する際の振込手数料などは「支払手数料」として経費計上できます。
業者や口座タイプの種類によっては、取引手数料がかなり掛かる場合があります。
そのような場合は、支払手数料で経費計上すると大きな節税効果があるので絶対に利用しましょう。
また、振込手数料などは記憶しておくのが大変です。
帳簿付けを楽にするため、そして税務署へ証明するためにも銀行の利用明細を保管しておきましょう。
FX(投資)関連の書籍・教材費
FXや投資関連の書籍・教材などは「新聞図書費」として経費計上できます。
新聞図書費では、書籍の他にもDVDなども含まれています。
経済情報を調べるために日経新聞を購読している場合は「新聞図書費」で経費にできます。
ただし新聞の場合は判断が難しいので、経費は全額ではなく、按分比率30〜50%にしましょう。
トレードノート(トレード記録や日記)
FXに関する勉強や記録・日記に利用したノートの購入費は「消耗品費」として計上できます。
また、ボールペン・定規なども同様に消耗品費で経費にできます。
これらの経費は、とても小さな金額ですが年間を通してみると決してバカにできない所得控除になるかもしれません。
そのため、どんなに小さくても経費として計上できるものは計上することをおすすめします。
FXセミナー・勉強会の参加費用および交通費
FXセミナーや勉強会などの参加費用・受講費用は「研修費」として経費計上できます。
他にも、凄腕の投資家に相談や質問、FXに関する会議などをした場合は「会議費」として経費計上できます。
ただし、内容を証明できなければ経費にできないので注意です。
たとえば、カフェで投資家に相談・質問を含めた会議をしたら会議費として経費にできます。
しかし日付や会議内容をまとめたもの、カフェの領収書がなければ証明が難しく、税務署に怪しまれることにつながりかねません。
もし税務署から何か質問されても答えられるように、メモ帳や領収書は必ず保管しておきましょう。
また、セミナーや勉強会、会議などへの交通費はそのまま「交通費」で経費計上できます。
具体的にはバス代や電車代の他に、パーキングの駐車場代なども含まれます。
ただし当然ですが、遊びにいく際に利用した交通費は経費計上できません。
また、「領収書が出ない交通費」に関しては、経費として証明できるように以下をまとめておく必要があります。
- 利用した日付
- 支払った金額
- 交通機関の種類
- 区間
- 理由や目的(例:セミナーへ行く)
もし領収書がない場合は、これらの情報をまとめて保管しましょう。
家賃も経費として計上可能
実は、家賃の支払いも「地代家賃」として経費計上できます。
家賃はFX専用のトレーディングルームなどの物件を契約している場合に限り、家賃100%を経費にできます。
しかし現実的にこれは少数派で、普段生活している家の一部でFX取引をしている方がほとんどです。
そのため家賃を経費計上する場合は、FX取引に利用している床面積を按分して申告する必要があります。
1LDKの賃貸物件で、fx取引に30%のスペースを利用している場合は以下のようになります。
【1LDKで家賃12万円の物件】 部屋の一部(全体の3割程度)のスペースでFX取引をしていれば12万円÷3=4万円となり、経費は月4万円
上記のように、FXで利用している面積がどれくらいか考えて、その割合分の家賃を経費に計上するようにしましょう。
FXで家賃を経費にする場合は、基本的にどんなに多くても50%程度にしましょう。
簡単に経費計上・確定申告できるクラウド会計ソフト
FXの経費計上、確定申告が簡単にできるクラウド会計ソフトを紹介します。
個人事業主・会社員でも誰でもおすすめできるのは以下の3つです。
- 会計freee(会計フリー)
- マネーフォワード クラウド会計
- 弥生会計 オンライン
上記のクラウド会計ソフトが特におすすめです。
それでは、各会計ソフトを簡単に紹介していきます。
【シェアNo.1】会計freee(会計フリー)
会計freee(会計フリー)はクラウド会計ソフトのシェアNo.1を誇る人気の会計ソフトです!
会計freeeは以下の点がおすすめです。
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ちなみに、当サイト管理人の僕(トロミ)も会計freeeのスタンダードプラン(年払い)を利用しています!
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マネーフォワード クラウド会計
会計freeeに次いでクラウド型会計ソフト マネーフォワード クラウド会計もおすすめです。
マネーフォワードの自社調べによると「満足度」や「おすすめしたいクラウド会計ソフト」などは1位を獲得しています。
会計freeeと比較しても遜色ないレベルの優秀さです。また、プランは3つあり基本的にFXをしている個人事業主や会社員は「スモールビジネス」を利用します。
スモールビジネスの利用料金は、年額プランだと35,760円(1月あたり2,980円)です。
そして月額プランだと月3,980円なので、できるだけ年額プランがおすすめです。
ユーザー満足度93%(2018年3月時点)で、クラウド会計ソフトのデビューにも安心して利用できます。
1ヶ月無料でマネーフォワードを体験したい方はこちら
弥生会計 オンライン
やよいの青色申告オンラインは特に初期費用・利用料金の安さでおすすめのクラウド会計ソフトです。
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FXの経費 まとめ
今回は、FXに関する経費について徹底解説しました。
ポイントをまとめると以下のようになります。
- 経費を利用すると節税効果がある
- 経費対象はFXで利益を出すために必要だったもの
- プライベートと併用する物は按分して計上する
- 10万以上のものは減価償却をする
- 領収書は証明書類として保管する
上記のポイントをしっかり押さえておきましょう。
経費は節税対策として必須ですが、無理のある経費計上、虚偽の申告は厳禁です。
正しい経費計上をして、ぜひ健全なFXライフを送りましょう!